機能性凝集剤Gellannic(ジェラニック)は、独立行政法人産業技術総合研究所と三菱商事環境資源研究所によって共同で開発された。最初に開発されたジェラニックは、昆布等の褐藻類に含まれるアルギン酸ナトリウムと,カニ,エビ等の甲殻類に含まれるキチンから得られるキトサンを化学修飾した修飾キトサンを有効成分とするものであった。その後アルギン酸ナトリウムを主要成分としたものに改良され、一般的な重金属の他、フッ素処理用、ホウ素処理用、セレン処理用等の個別の薬剤として開発された。アルギン酸を主要成分としているのが第1世代のジェラニックで、その名称は天然多糖類からなるゲル化剤を有効成分としており、“Gel Landslide for Nixing Cation”から付けられた。その後、天然多糖類を含まない第2世代のジェラニックが開発された。さらに、2002年になってフッ素やホウ素の処理に有効な第3世代のジェラニックが開発された。平成13年に規制が強化されたフッ素と、新たに規制が導入されたホウ素については有効な処理法がなく対応に苦慮していたが、この最新のGellannicは少ないスラッジ量で規制値以下に処理できるものである。 ジェラニックは、開発当初は三菱商事によって製造販売され、その後株式会社ジャパンウォーターに譲渡され、現在は株式会社ジェラニックにおいて製造販売されている。