重金属排水の処理は、一般に水酸化カルシウムを添加して高pHにし、重金属イオンを水酸化物として沈殿させる中和処理が行われ、生成したスラッジは、廃棄物の最終処分場で処分されている。しかし、産業廃棄物の最終処分場の残余年数は逼迫しており、スラッジの減容化は緊急の課題である。さらに、ほとんどの金属資源を輸入に依存している日本の現状、さらには環境保全の観点から、資源を再利用することが強く求められており、スラッジから金属の回収し再資源化するこが重要である。そこで、我々は重金属排水処理でスラッジの削減を可能にする薬剤の開発と、重金属の回収再利用を可能にする処理法の開発を目指し、研究を行ってきた。